コラム

ビジネス最前線

第01回 「少年ベンチャー」

私はこの十年間にベンチャー起業家をゲストに招くラジオ対談番組や私の定例勉強交流会を通じて壱千名を越える経営者の方にお会いしてきました。その中には、その後、会社を急成長させ株式上場させた方も多くいらっしゃいます。こうした経営者の方にお会いして気付かされることは多いのですが、そこには、まず何と言っても“夢の実現”というキーワードがあります。

この不況下において尚、夢を掲げ、夢に向かって突き進むモティベーションは何なのか?それは少年の純粋な“子供心”で興味を抱く目の前のものへの「チャレンジパワー」に他なりません。そしてそれはやがて「この事業を世の中に広め成功させるんだ」という自己実現の使命感に変遷するのです。ベンチャーは、「人」「物」「金」の全く無い所からのスタートです。「夢」という資源しか元々無いのです。

こうした起業家にお会いする中で、私はある具体的な共通点に気付きました。それは彼らの心の中にあるもう一つのもの・・それは「将来こういった仕事で生きたい」「こういった自分になりたい」という子供の頃からの「思い」が続いているという事です。

「私の小学生の頃の夢は宇宙飛行士と相場師です。」・・・この言葉は格安航空券の販売でチャンスを広げて日本を代表する旅行会社やスカイマークエアラインズという航空会社まで創業されたHISグループの澤田秀雄社長の言葉です。そして、「まだまだやりたい事の十分の一も実現できていないんだ。」と私に話されました。ドイツの大学に留学しながら五十カ国以上を見聞し、日本に帰国後創業、現在はグループ年商四千億位で約八千名を雇用されているというベンチャーの代表的な方です。近々、本人が一番客としてHISの宇宙旅行ツアーも行われるでしょうし、三年前に買収した証券会社を、昨年度高収益を出し株式上場されました。つまり、旅行業と証券業のルーツは小学生の時の目標であり創業年齢も十歳くらいということになります。

皆さんは、イチロー選手の小学六年の卒業作文をご存知ですか?「僕の夢は一流のプロ野球選手になることです。」から始まり「自分がナンバーワン選手だと確信しました。」と続きます。この間、彼はテレビで「今のフォームは小学四年に確立した」とも話していました。ベンチャー起業家とイチロー選手からの気付きで皆さんも少年の頃の夢を形に、仕事に、そして事業に出来うる何かを置き忘れていませんか?今のフォーム(仕事スタイル)はいつ確立したのでしょう。まだまだ夢の自己実現を求めている自分はいませんか?元気に成長を続ける起業家は挫折や失敗も多く経験しています。つまり『成功』の反対は『失敗』ではなく『凡庸』という言葉のようです。失敗を恐れ、一度も挑戦せずに「平々凡々」と生きてしまう事が《人生最大の過ち》だとベンチャー達は日々邁進しています。先日訪問した(株)ライブドアでは若い役員が会議室で夢と目標を熱く議論し夜明けを迎えていました。上場後も社長の机の横に寝袋が置いてあるベンチャーもいます。神戸の野球少年だった三木谷氏率いる(株)楽天は、1998年に従業員5人でしたが、この春プロ野球チームを持っています。

一度きりの人生・・・自分の個性を活かし夢に向かって燃え続け、少年の日の成りたい自分に成る。この起業家創生時代、自身の少年の頃の心の扉を開くところから、もう一度スタートしてみませんか?

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