コラム

ビジネス最前線

第02回 「ベンチャーと坂本龍馬」

私は先日、ジョン万次郎になって咸臨丸でサンフランシスコに渡り、福沢諭吉とベースボールというメリケン遊びを初めて体験して日本に持ち帰りました・・・というのは『平成世直し劇・幕末早慶戦』という舞台劇での事です。ベンチャー起業家とジャーナリストと若手の国会議員が幕末の実在の人物の役になり当時の日本の夜明けと照らし合わせて現代の日本に警鐘を鳴らそうというもので、劇中に私が司会のパネリスト・トークショーもあるシンポジウム劇です。「いでよ龍馬」「よみがえれ松陰」「隆盛の如く」に続く第四弾でした。元々は、孫正義(ソフトバンク)南部靖之(パソナ)澤田秀雄(H I S)のベンチャー三銃士が1999年に坂本龍馬や幕末の志士達の幕末の生き方を通じて日本の将来のあるべき姿を訴えるべく当時の小渕首相らを観客に迎えて始まったものです。黒船来航はベンチャー時代の幕開けであり「全国の志士よ立ち上がれ」がテーマです。多くのベンチャーは青春時代に司馬遼太郎の「竜馬がゆく」を読んでいます。子供の名前が「龍馬」も少なくありません。龍馬のような社員が欲しいという社長も多くいます。

何故ベンチャーは龍馬好きなのでしょう。土佐の田舎の郷士でありながら脱藩し日本初の株式会社設立、そして薩長と幕府を動かし民主主義日本の夜明けにリーダーシップを発揮した等、魅力満載には違いないのですが、私の答えは次の通りです。以前に『龍馬とベンチャー』の題目で、高知県人会で講演させて頂いた時にIT革命の創始者が龍馬だと話したのです。IT革命のITは「インフォメーションテクノロジー(情報技術)」つまり「情け」に「報いる」ということ。このITの本来の意味通り龍馬は全国を駆け巡り多くの志士達の「夢」や「信念」を己の足や手紙で伝え、犠牲となった志士の「命」や「想い」への激情や純情という「情」に報いるべく日本の明るい未来像への「理論武装」を持って東奔西走した革新リーダーだからなのです・・と。私が思う龍馬の最大の魅力は、多くの人物との出会いを積極的に創り、新しい価値観を学びながら自己の人生観を素晴らしく変遷させていたところでしょう。これはすべてのベンチャーや名を成した方々に通じる事だとも思いますが、ここで社会人としての仕事観の順序を考えてみましょう。自分の打ちこめる仕事も何も解らないころ、「この仕事」はおもしろそうだという「興味」のモティベーションから始まり次に報酬・経済を得る「仕事」となりやがて「この道が専門です」という「ライフワーク」へと進む・・大抵の人はここまでですが、仕事は「私がやらねばだれがやるんだ」という「使命」にまで価値観を変遷させるのが志士なのでしょう。『使命』・・「命」を「使いきる」と書く意味を龍馬や多くの幕末の志士達は百年以上たった今でもベンチャーの心に投げかけているのです。私も高知生まれで大学入学時に龍馬の墓に酒を供え手を合わせた夢多きあの頃を思い出し、仕事を始めた原点にかえって自分の『使命』を改めて探求していきたいと思います。皆さんのライフワークは何ですか?仕事は『使命』でやっていると語れますか?志士のように日々心は燃えていますか?読書の秋、自身の夜明けのために幕末の本でも読み直しましょうか?

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