コラム

ビジネス最前線

第03回 「ベンチャーとビジネスモデル」

最近、各業界別に一覧で市場が何億円であるとか、どこの会社がトップシェアーで二番手はどこであるかとか、カラフルで解りやすいノートサイズの本をよく見かける。そこで興味をひくのは、こんな業界があったのかというのと、その業界が出来るまでの業界史である。よく考えてみるとベンチャー起業家が一つの業界を生み出し、育てて別のベンチャー起業家が変化させアレンジし発展させている事が多い。例えば、消費者側の小売店が物の売り値を決めるという斬新な改革を起こして発展したスーパー業界でいえばダイエーという企業があったからこそ現在のコンビニやユニクロやダイソーがあるということ・・・ベンチャー企業はビジネスモデルの発案・改革・変化のバトンリレーであることがよくわかる。

講演などでベンチャーのビジネスモデルというものを簡単に説明するときに私は次の話しをよくする。解りやすい商品として「自動車」を取り上げ、今から車を売るベンチャー起業家に成りましょう・・・と、そしてそれは車を仕入れて売る代理店ではなくて、新しいビジネスモデルを一緒に考えましょうと。次に車を破格値の無料でお客に提供するとすればどのようにして原価と利益を回収しましょうか・・と。

「答え」・・つまり何で何処で利益を生むかからベンチャー思考となる。この車には企業広告がペイントされていたり電光発信看板を屋根につけていてその広告主が車代を払うとか、また必ず指定のガソリンスタンドで給油・メンテ・車検などを行い、そのスタンド内の売店から「米・卵」などの日常食品を年間契約で買う等、いわゆる役務の提供を契約して頂くのである。「課金システム」のアレンジがベンチャービジネスの登竜門ということになる。

昨年マザーズに上場した株式会社ネクストジャパンのビジネスモデルは当時私も耳を疑ったくらい画期的だった。JJculb100というアミューズメントの店の中にはボーリング・ビリヤード・卓球・カラオケ・フットサル・釣り堀・漫画・ロッククライミング・アーケードゲームなど100種類を越える様々な遊びが用意されていて何処で何時間遊んでもいいという・・料金は会員となり入場した時間から15分ごとに100円という時間課金制で最後に精算。このビジネスモデルはいまやスタンダードになり3年ほどで全国に64店舗展開し3,000坪以上の店も多く、会社は年商100億企業となりFC店も出て利益をあげている。

1ゲーム消化するのに15分くらいかかるボーリングも100円で提供しているし、カラオケの15分100円はダウンロードカラオケ代金(店側)が1曲30 円×3曲分(15分)=90円かかるはずなのに店は提供している。それでも何故利益が出るのかを長江社長に直接聞いたらすぐに答えが返ってきた。「ポートフォリオ思考で利益創造部門を強化しているから成り立つ・・・つまりボーリングもカラオケも待っている人も時間課金しているし館内のお客の移動時間も休憩時間も加金している。だから家族などより多くの人数の集客と滞在時間延長の仕組みを強化する」・・・と。また会員制にこだわるのは、お客の遊んだアイテム履歴から別の遊びを提案していくのだとも。

昔、百円くるくる寿司の社長が「実はまぐろは採算合わないから損をするので出来るだけ別のものを多く食べてもらうようにしている。」と言っていたのを思い出す。100円ショップも100円以上で仕入れているものもあるという。

このように、よく考えて消費者の立場からベンチャー起業家の立場で身の回りや各業界を観察すると「感心・感動」が見えてくる。規制概念を打破するベンチャーのビジネスモデルは「夢の仕掛けの理論武装」として日々更新されていくようだ。

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