コラム

ビジネス最前線

第04回 「ベンチャーとビジネスモデルII」

先月のメルマガにてベンチャービジネスモデルで消費者へ提供する仕組みの話をしたが、今回はその実例として『買わずにいられない商品力モデル』を紹介しよう。

2001年設立の蠏陳ぅ瓮奪察璽献機璽咼后攜什澂螢劵紂璽皀法爾鵬名】はその名のとおりベリーカードという慶弔事のお祝いやお悔やみをインターネット申し込みでサービス提供しているベンチャーである。長谷川社長自身の母親の葬儀でもらった弔電の一律性に疑問を感じて、文字数に関係なく定額料金で翌日全国へ配達するという従来の電報をIT化したビジネスモデルである。赤帽など全国ネットでベリーカードの多種類の台紙を置いた拠点と提携していて本部が慶弔カード申し込みを受けた後、届ける現地近くの拠点にメールで送りそれをプリントアウトして台紙にのせて運ぶというもの。当初は法人のみを顧客として300 文字までを一律800円の料金であった。今では個人申し込みも出来てベリーカードというインフラを推進しているが、売り上げを作るのは大手企業の慶弔電報のコスト削減であった。電報は今でも文字数で価格が決まり一通平均2,500円位であるためベリーカードとは差額が1,700円位である。年間3,000 通を出している企業は約500万円のコスト削減なのである。またITだけに記念日登録などリピートへの布石も打てる。定番の文章や台紙の作りもセンス良く、特にコストを考えると使わずにいられない会社、商品である。私がこの長谷川社長をライブドアの堀江社長に紹介した時に「参入を考えていたビジネスです。」とも話していた。

2000年に株式上場した螢┘侫▲鵐疋┘爐蓮∪弧進欷吋譽妊の方々の領収書を預かり整理するという記帳代行ビジネスのベンチャーである。1990年当時、生保レディのほとんどが白色申告であったが、その時の改正後の青色申告なら年間控除が35万円になることで所得税と住民税が年間最低税率で 52,500円分 得をすることに目を付け、月額4,000円で年間48,000円を頂く記帳代行サービスを全国の生保事務所の朝礼でプレゼンテーションした。つまり「52,500円引く48,000円の4,500円がこのサービスを受けると便利でかつ得をします」というものである。商品を買って得をするのだから断る理由がないのである。但し、グロスメリットを出さねば営業の人件費などで赤字になるのでの顧客1万人という採算分岐点を早急に達成せねばならなかった。そして数年で5万人を越える契約者を得て「買って得する商品」を確立し定着させたのである。

大手が出来ないベンチャーの商品やビジネスモデルは買って助かり、すぐ効果があるものが条件といえる。飲食店などで働く従業員の勤怠(きんたい)管理という言葉や概念はあまり日本では重要視されていなかったようで、そこに目を付けたベンチャーがいる。ディプローデータサービス蠅篭仟婀浜に給与計算をリンクさせたアウトソーシング業である。従来のタイムコーダーの欠点は、他人がカードを打刻する代打ちが多く、また店のオーナーや店長が月末に手計算集計を重労働でしなければならなかった。この大きな二つを解決したのが指紋認知端末「しもん君」だった。代打ちのない本人認証の指紋とオンラインでデータを本部に送り、正確な分刻みの給与計算が可能になる。現場は勤怠状況をウェブ上でいつも確認できるし計算業から解放される。代打ちの架空の給与も時給1,000円の時代では積もり積もってばかにならない。端末代などの初期投資はかかるが、人事や給与体系を戦略的に考えられて現場での士気が向上し、ランニング代が安くなるこのシステムは、経営者側には「買わねばならない商品」となっている。関西から全国へ展開中である。

以上、私の身近な3社の事例で紹介したが、一つの結論としてベンチャーは自身のビジネスモデルをプレゼンテーションすれば、顧客がおつき合いをせねばならない状況・状態にすることだともいえる。しかし、いずれも何かに使命を感じた命がけの一人のベンチャー起業家の『魂を込めた熱意(エンスージアズム)』が必要条件であろう。

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