コラム

ビジネス最前線

第19回 「ベンチャーの集中力」

ベンチャー起業家が、仕事の能力も上がり、タイム・マネジメントを積極的に行っていると、使っている時間の質について考えるようになります。

今している仕事の質や勉強の質が高ければ、それだけ、時間を有効に使うことができ、タイム・マネジメントはうまくいきます。

そこで質を高くするための集中力の向上が必修条件になります。多くの人が「集中してやれば目標をもっと早く達成できるはずだ」と思い、がんばるのですが、なかなか実現することは難しいモノです。

集中力で思い出すのは、やはりベンチャー起業家です。特にスポーツで鍛えてこられた方は、素晴らしい集中力を持っています。中でもボクサーやレーサーとしてプロ級のレベルに達した方の集中力は抜群です。

たとえば、ボクサーは相手のグローブが目の前に来るまで、目を閉じない訓練をします。相手のパンチから身を守るために絶対必要なことなので、この訓練ができていないと試合で勝つことはできません。そのためには、質の高い練習を多くこなさなければいけません。その練習によって集中力が高まっていくのです。

元プロボクサーの(株)オンテックスの小笹公也社長は、すごい集中力を発揮しました。トータルリフォーム業で起業22年目にして、昨年末に大阪の中心地の難波に約600坪、14階建ての本社ビルを建てて竣工式をされました。私も招かれてビル内を案内していただきましたが、アスレチックルームやとても大きな会長室にただ驚くばかりでした。

スタートは小さなガレージで自分一人だったのですから、現在の年商100億以上の企業力と自社ビルはまさに集中力の賜物でしょう。ついでに、その集中力で40才を過ぎても仕事をしながら、この4年間で同志社大学に受験入学し卒業もしました。

芸能人として活躍する元プロアスリート、特に元プロボクサーが多いのは、ボクサーが持つ人並みはずれた集中力のおかげではないでしょうか。減量という自己規制の鍛錬、対戦相手との瞬時のかけひき、スタミナの配分など、ボクサーの練習と試合には人生に必要なことが多く詰め込まれています。

私の友人の「浪速のロッキー」こと赤井英和氏は俳優として活躍していますが、その人間的魅力と集中力が大きな力になっています。俳優という仕事にボクシングで鍛えあげた集中力で挑戦し個性を武器に10年少しのキャリアで一流の仕事が出来るようになったのです。

全国にフランチャイズ加盟店を約150店舗展開し、地域密着で印刷サービスを手掛ける(株)フィフティーファーストの山本次郎社長は、元バイクのレーサーでした。鈴鹿サーキットで何度か優勝もし、逆に200キロほどのスピードで大きく転倒し死に直面したこともあるそうです。

山本社長に話を聞くと、優勝するための勝利の方程式は、最終コーナーまで2番手につけていて、先頭のバイクの右のブレーキだけを集中して見るそうです。そして、先頭のバイクのブレーキがかかった直後に自分のブレーキをかけてコーナーで追い越すそうです。

その差で追いつき追いこせるのですが、当然、相手が絶妙のタイミングでドンピシャだった場合、自分はコーナーを曲がりきれずに転倒するわけです。やはり、死と隣り合わせの集中力で仕事をしてきた人は、ビジネス界に転身しても学習吸収力と成長のスピードは目をみはるものがあります。

一般にプロスポーツ選手には別分野で成功する人が多くいます。時間内、規定内でやりとげる集中力がプロの域として鍛えられているからだと思います。私が講演をしてきた保険のセールス業界でも元プロ野球選手が活躍して、いい成績を出して収入をとっていました。

集中力を高めて効率的に物事をこなすために、私は"3分の2の法則"を提案しています。3時間かかる仕事は2時間で済ますように工夫するのです。それができれば、30日の仕事は20日でできるはずです。10分の1で実行するのは不可能であっても、3分の2で実行することは集中力と工夫によって可能になるでしょう。

30日の仕事を20日で終えることができれば、その調子で3年かかっていたことを2年に短縮できるはずです。当初の予定より1年余ります。

もっと長期間で考えれば、30年が20年になるのです。ぜひ、ベンチャー起業家精神で今までにない集中力を発揮して頑張ってみましょう。

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