コラム

ビジネス最前線

第25回 「ベンチャー少年イチロー」

シアトルマリナーズのイチロー選手がまた偉業を達成しました。

メジャーリーグでオールスターに出るだけでも名誉で素晴らしいことなのに、オールスターならではのレベルの高い外野選手の守備をくぐりぬけ、なんとその歴史に刻む初の『オールスター・ランニングホームラン』。

皆さんはご存知ですか?イチロー選手が今のフォームを確立したのは本人いわく小学校4年生とのこと。
その原点、もしくは原理原則とも言うべき、イチロー選手が小学校6年生の時に書いた「夢」という作文をご紹介します。

「夢」6年2組 鈴木一朗

ぼくの夢は、一流のプロ野球選手になることです。そのためには、中学、高校で全国大会で、活躍しなければなりません。

活躍できるようになるには、練習が必要です。
僕は3才の時から今までは365日中、360日は、はげしい練習をやっています。
だから一週間中、友達と遊べる時間は、5〜6時間の間です。

そんなに練習をやっているんだから、必ずプロ野球の選手になれると思います。
そして中学、高校で活躍して高校を卒業してからプロに入団するつもりです。
そしてその球団は、中日ドラゴンズか、西武ライオンズが夢です。ドラフト入団でけいやく金は、1億円以上が目標です。

ぼくが自信のあるのは投手と打げきです。 去年の夏ぼくたちは、全国大会へいきました。そして、全体を通した打りつは5割8分3りんでした。
このように、自分でもなっとくのいくせいせきでした。そして、ぼくたちは1年間まけ知らずで野球ができました。

だから、このちょうしで、これからもがんばります。
そしてぼくが1流の選手になって試合にでられるようになったら、お世話になった人に、招待券をくばって、おうえんしてもらうのも夢の1つです。
とにかく一番大きな夢はプロ野球選手になることです。

愛知県西春日井郡豊山小学校卒業文集
「思い出・仲間」から

≪ 出典『父と息子』鈴木宣之著(二見書房刊)≫

ずばり、目標設定のエッセンスとベンチャースピリットが全てこの作文にあると思うのです。
そして非常に示唆に富んでいて面白いのです。
抜粋してご紹介していくと『僕の夢は一流のプロ野球選手になることです』から始まって『そのためには練習が必要です』そして、『僕は3歳の時から練習を始めています』といった具合に話は進みます。

そして『これだけ練習をやっているのだから必ずプロ野球選手になれると思います。球団はこういう球団が夢です』と子供とは思えないほど具体化された夢として書いているのです。
小学生当時、彼は投手でしたが『自分がナンバーワンだと確信できる』とまで書いているのです。

そして自分の少年野球を総括して『こういう打率とか、こういう納得のいく成績でした。そしてこれからも一生頑張ります』と続きます。
これだけでも小学6年生としては驚異的な理論展開ですが、最後に『僕が一流の選手になったらお世話になった人に招待券を配って応援してもらうのも夢の一つです。とにかく一番大きな夢はプロ野球選手になることです』と続くのには関心を通り越して、感動すら覚えます。

目標は数字です。いつまでにいくつの数字を達成するかを人間はいち早く体得せねばと教えられます。

この作文の最後に『お世話になったひとにおうえんを・・・』というのがあります。
自分が成功、あるいは成長してふり返るとみんなに助けられてきたんだ。
例えば、チームメイトやコーチや両親、道具を作ってくれている人にまで感謝する心が必要とも彼は小学校6年で言っています。

そして、次の子供たちにも夢を与えたい・・・と。

こういう考えや思いを早くに確立した少年には何らかの神秘的な追い風が吹くのかもしれません。

しかし、そんなかっこいいイチロー選手もテレビのインタビューで言っていました。
「いっぱい・いっぱいなんですよ、僕も」と、まるで少年のように・・・。

皆さんは自分との「いっぱい・いっぱいのチャレンジ」を続けていますか?

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