コラム

ビジネス最前線

第30回 「成長へのセルフ・フィロソフィー」

昨年は、企業のモラルが問われる様々な偽装問題が多く取り上げられました。

会社にとって利潤追求は当たり前のことなのですが、「商品の安全と消費者の安心の追求」は、それ以上に大切だという事です。
どんな会社も、社長が見える範囲で仕切れる間は、問題はないはずなのですが、徐々に「何か」が崩れてくるようです。
その、ズレナイ・崩れない「何か」が「経営理念」なのです。
「品質第一」「お客様第一主義」「やすらぎと安心を」などの経営理念と、商品と社員の愛社精神を日々チェックしなければ社会貢献企業になって生き残ってはいけないのです。

社長は、企業理念という法律をもって社員を動かしたり裁いたりしなければいけないのです。
社員も元々、企業理念と自分の考えとのギャップがあれば上手くいくはずがありません。
「内部告発」とは、社員から経営陣への企業理念見直し要求なのでしょう。

さて、ここで、実は個人にも立派な経営理念があっていいという事をじっくりと考えましょう。
生まれたときが創立記念日で「自分自身」という株式会社を経営・運営している私たちは、社長でもあり社員でもあるのです。
最終の学校を出て、自分で働いてその報酬で生活をするまでは、アウトソーシングで親に依存しているのですが、その20年ほどの間に、私たちは自分にとって最も大切な「人生の経営理念」を推考するのです。
家族をはじめまわりの環境や、友人や書物などが影響を与えることはいうまでもありません。
「あの人の株が上がった。」というように、やはり株式を公開している一企業、つまり法人なのです。
それならなおさら、自分の会社の経営理念はきっちりと決めておきましょう。セルフ・フィロソフィー(自己哲学)という言葉に置き換えてもいいでしょう。
難しい言葉でなくても、身近な単語で簡単に決めてまわりに公表し、更に広報活動したほうが分かりやすくよいのです。

私は20年ほど前に脱サラし独立した時、自分という会社の経営理念である人生のテーマを「笑い・集い・感謝」にしました。
だから、何か自分に新しい分野の誘いや悩みがあった時に、この3つの言葉と照らし合わせて最終的に理にかなうか否かを判断するのです。
キャスターとしてのラジオ・テレビ番組のコンセプトや、進行や講演依頼での内容なども、常にこの三信条を当てはめてきたつもりです。
ちなみに、笑いという感情は人間だけのものです。なぜ人間が笑顔になれるのか、というと、人間にはイメージできる能力があるからです。
楽しい未来を想像して笑顔になります。過去・現在・将来を比較してイメージをふくらますから笑えるのです。
本当に笑いは人間らしい感情だと思います。だから、自分と相手が笑える最終形をいつも考えて「笑い」を重要視します。

次に、人は集まることによって、その力を精神力で何倍にも大きくできます。集まることによって人は笑い、強くなることができますから「集い」という言葉を選びました。
そして私は、あらゆる人や物に感謝することで人は成長することが出来ると考えます。
邪魔ばかりする、自分にとっての悪人も何らかの役に立っています。ナニクソ・パワーなど、その人のおかげで成長できるのも一つです。
そのことに「感謝」すればよいと私は思います。最近の「お笑いブーム」というのは決してブームではなくて、時代が人間企業理念の本質を求めているのかも知れません。
何らかの形で“人を笑顔にする”人は、素晴らしいプロの仕事人です。

例えば、プロスポーツ選手・芸術家・歌手なども“人を笑顔にする”ことを最終目標として仕事をしています。人々を熱狂させたり喜びや癒しを与えます。
だが、特別な人だけでなく、一人の主婦でも子育ても含めてプロの社会貢献企業なのです。そして人生の経営者です。
人間という経営者は、株主ともいえるまわりの人すべてに笑顔を与えるチャンスを持っています。自分の会社の企業理念をじっくりと時間をかけて創造してみましょう。
ふと気づかなかった身近なまわりの人や仕事に「自己経営理念」という柱が、現状のチャンスを感謝や使命の生業(なりわい)にまで押し上げてくれるかもしれません。

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