コラム

ビジネス最前線

第40回 「成功への観察移動」

私は仕事がら新幹線で東京と大阪を何度も往復します。そして最近、東京駅も品川駅も知らず知らずのうちに大きなデパートのように生まれ変わっていくのに気づきます。
この「知らず知らずのうちに」をよく観察することがとても大切な事ではないかと・・このごろ思うのです。
何気なく歩いているその足元に経済を仕掛ける事業成功としての企画と演出力が多く見られるからです。
品川駅は駅構内に飲食店や大きな書店以外に、まさに仕事やお出かけ帰りのビジネスマンや主婦ターゲットの惣菜やお菓子店の二階建てショッピングモールができているし、東京駅にいたっては地下の通用路がいつの間にか見事なショッピングセンターに生まれ変わっているのです。
一日の乗降客が100万人ともいわれる東京駅ですから商業施設としても偉大なマーケットです。
今では、改札のすぐ近くに「ユニクロ」や「無印良品」なども普通に営業していて利用されていますし、新幹線待ちの時間に余裕があれば、充分にショッピングができるのです。

さて、前述の東京駅地下通用路ですが、いつの間にか「グランスタ」という専門店ショッピングセンターになり多くのお客で賑わっているのです。そこに、一日約2万人が目的を持った買い物に来ているそうです。地方の名物のお菓子店や日本橋の老舗の銘菓店など店の内容はさまざまですが、しかし驚くべきことに、その店舗群は約47店の内の31店が駅構内への初出店舗だそうです。そして、もうすでに本店の売り上げを超えている店も少なくないようです。つまり、この「新地下街」は、全国の珍しいお菓子などの卸し専門店が初出店してもらえるように、企画側がマーケティングし戦略として足しげく通いお願いしたプロジェクトなのです。まるで、ある日、地方の店や商材が見つけられ東京進出して成功したというシンデレラストーリーともいえます。そして、コロッケや焼き鳥など、まるでデパ地下そのままの惣菜店も充実していて、厨房付の店も27店舗もあるそうです。出店者は売れる予想分だけ作るので在庫の心配も少ないメリットがあります。年商も90億を超える成果だそうです。全国有名無名にかかわらず意欲をもって初出店するエネルギーは、東京駅の地下のフツフツと沸くマグマのように私には思えます。
デパートなどの商店集中施設で観察すると、現場(店)での人数も時間帯も確定しているのですから、小坪店舗で利益を上げるのが、いかに単純かつ分かりやすい経営術だと納得できるでしょう。

以前、オリジナル・アイデアのシュークリーム店「芦屋タカトラ」の東京進出を社長の身近で見ていましたが、やはり関東でまず成功したのがエキナカでした。関東圏のJRの駅数ヶ所をローテーションのようにひと月ごとに売り場チェンジして1坪店で販売をするのでした。これも前述のグランスタと同じように大手のJRから関西で頑張っている小さな店を見つけてもらっての出店でした。社長曰く、大手は自分から交渉に行っても難しいそうです。その1坪店が平均月商1300万、多いところでは2800万円も売り上げました。そして、次に東京ミッドタウン地下へ6坪の店を出し、月商900万円以上を続けてミッドタウン内の坪単価売り上げ表彰を受けたそうです。大阪は阪神百貨店の地下も毎日、多くの買い物客で賑わっています。ある小坪バームクーヘン店は月商4500万以上だと聞きました。たこ焼きもイカ焼きもコロッケも忙しそうな店員の動きが見えて繁盛店として元気に売れています。つまり、顧客数×商材力×経費効率は第一の成功要因だということです。
そして、そこに、店員や現場のエネルギーの高さも加わるのです。お客様の居心地の良い買い物空間は周りの皆のエネルギーで作るものです。商品単価の低いものでも、一生懸命デモをして汗をかき顧客に向かって笑顔でいつも接していたら間違いなく繁盛するのでしょう。

皆さんも何気なく仕事中に歩いているエキナカやデパ地下など人通りの多い中の少坪店の「元気」を日々観察してみましょう。そして商店でもある自分という小坪店舗の日々の努力が常にオーデションであり、ある日誰かの目に留まり、急展開の成長をする可能性もあるでしょう。

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